メイド・イン・ナガサキVol.31 岩永梅寿軒のぬくめ菓子長崎くんちの縁起菓子 毎夜長崎の街に響く、くんちのお囃子やかけ声―。思いがけずその練習の場に出くわすと、あの華やかな舞台の裏側を垣間見たようで、長崎人ならば誰しも胸打たれるものがある。9月を過ぎる頃にはその声にも気迫が満ち、男たちの熱く勇壮なかけ声を耳にする度、今年もくんちの季節がやってきたとワクワクせずにはいられない...
メイド・イン・ナガサキVol.30 雲仙焼雲仙の自然が生み出す、唯一無二の輝き まるで宇宙を覗いているよう―。そう称されるうつわがある。「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」。南宋時代(1127~1279年)、中国福建省建陽市にあった建窯で作られたとされ、現存するものは世界でたった3点。その全てが日本にあり、国宝に指定されている。黒の釉薬の上に、光の角度...
ふらり。旅する長崎第29回 「西海市・瀬戸港から出発!夏の、松島冒険日記」 長崎市の畝刈・三重あたりから、西海市までを結ぶ国道202号。片側に海、片側に山、と豊かな自然に囲まれたこの道沿いは「夕陽が丘そとめ(道の駅)」や「遠藤周作文学館」、ユニークなお店が集まる雪浦地区といった立ち寄り所が多く、夏のドライブにぴったりのコースだ。そんな202号沿いにある「瀬戸港」から、フェリーで約15分。気軽...
メイド・イン・ナガサキVol.29 マルヒロの「ものはら KURAWANKA Collection」波佐見焼の歴史を物語る“地層”を重ねて… 「ものはら」―。登り窯のそばにある、焼き損ないの製品を捨てる場所のことを、そう呼ぶそうだ。長い年月を経た「ものはら」には、焼き物の“地層”ができ、積み重ねられた歴史と伝統技術の上に“今”があるということを、一目で伝えてくれる。
メイド・イン・ナガサキVol.28 瑠璃庵の長崎びいどろ長崎びいどろ。そのかつての輝きを求めて 江戸~明治前期にかけ、日本でつくられたガラス=和ガラスは、その時代“びいどろ”と呼ばれていた。ポルトガル語でガラスを意味する“Vidro”がその語源。とりわけ、中国の製法を起源とし、17世紀後期から長崎で製作が始まったガラスは“長崎びいどろ”と呼ばれ、その美しさで全国の人々を魅了...
ふらり。旅する長崎第28回 「見ごろを迎えた唐比ハス園へ、ぶらり。」 国道251号、飯盛方面から愛野方面に向かう途中に、九州でも有数のハス園―「唐比ハス園」があることをご存知だろうか。約2.5ヘクタールの広大な湿地には、13種類のハスと12種類のスイレンが植えられており、7月中旬頃見ごろを迎えるという。 長崎市内の中心部から、車で45分程の場所にある唐比地区。右手に橘湾を望みながら、...
メイド・イン・ナガサキVol.27 茂木一○香本家のびわのお菓子茂木びわの季節です。 長崎市の南東部、橘湾に面する港町・茂木。初夏の頃、キラキラと輝く海を眺めながら、緑豊かなこの町の海岸線沿いをドライブすれば、ひと房一房ていねいに袋かけされたびわ畑の風景を目にすることができる。全国的にも名高い「茂木びわ」の収穫期、5月下旬~6月中旬頃の風物詩だ。
ふらり。旅する長崎第27回 「花菖蒲が彩る、城下町・大村をぶらり。」 六月。梅雨。今年も、すっきりとしない空模様が続く季節がやってきた。昔はこの季節が苦手で、空と心はつながっているのか、どんより気が滅入ることも多かったけれど、最近は雨の日も悪くない、と思えるようになってきた。しとしとと降る雨音を聴きながら、静かな部屋で本を読んだりお茶を飲む時間はとても幸せだし、お気に入りのレインブーツ...
メイド・イン・ナガサキVol.26 唐あくちまき長崎ならではの、節句菓子 端午の節句が近づくと、長崎の和菓子屋さんや饅頭屋さんの店先に「唐あくちまき」が並び始める。「鯉菓子」のような見た目の華やかさはないが、端午の節句に欠かせないものとして古くから受け継がれてきた。そもそも、「粽(ちまき)」のルーツは中国にあり、その誕生にはこんな故事がある。
ふらり。旅する長崎第26回 「自然のままの昆虫の姿に、感動!たびら昆虫自然園を訪ねて。」 日本のこよみには、春・夏・秋・冬をさらに細分化した、「二十四節気・七十二候(にじゅうしせっき・ななじゅうにこう)」がある。一年を二十四に分け、それを更に約5日ごとの七十二の季節に区切ったものだ。中国に端を発する考え方だが、日本人は昔から、この七十二もの季節の移ろいに合わせて暮らし、またそれを愛でてきた。その二十四節気...
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