ながさきプレスWEBマガジン

  • 4月に子どもが小学校に入学したのですが、1年生になったから、もう歯みがきを任せても大丈夫なんでしょうか?

    カラダのお悩み相談室

    今月のお悩み回答者…まき歯科 副島 真紀 先生

    長崎大学歯学部卒業。長崎大学病院や熊本で経験を積んだのち、2006年に島原で開業し院長を務める。現在、4人の娘を育てながら歯科医として奮闘中。「『健口』から『健康』のお手伝い」がモットー。

     

    歯みがきを子ども自身に任せるのは、いつ頃がいいんですか?

     

    小学生になったんだから、歯みがきも自分でがんばってほしい……その気持ち、よーくわかります。しかし、個人差はありますが、最初の大人の歯が生えてくるのは小学校入学前後くらい。完全に生え変わるのは中学校入学前後くらいとされています。その間は次々に歯が生え変わります。もちろん学年が上がるにつれ、子どもが自分でみがけるようにしていくことは大切です。

     

    例えば、朝・昼は本人に任せて、夜だけは仕上げみがきをしてはどうでしょう。ただ、思春期にもなれば、それすら何だか気恥ずかしいもの。そうなれば、定期的に歯医者さんで検診をしてもらうのがオススメです。ご家庭では、口を開けて見せてくれない小学生も歯科にくれば観念しますよ(笑)。

     

     

    そもそも小さい子どもだけで歯みがきをするのは難しいんですか?

     

    生え変わりの時期は歯並びも不規則で、細かい部分までみがくのが大変です。それに歯が抜けたり、大人の歯が生えてきたり、お口の中の変化は子どもの自覚がないまま進むこともあります。また人の歯は、口の中に頭が見えはじめるのと並行して、自転車操業で根っこをつくっていきます。生えてきたばかりの歯=完成形ではないのです。

     

    その未熟な状態でむし歯になると麻酔が効きづらく、治療で強い痛みを感じてしまい「歯医者さんは怖い」というイメージにもつながります。ですから子どもの歯が生えそろった4歳くらいから、治療ではなく予防目的で定期的に歯医者さんに通って慣れておくと、コミュニケーションが深まり、より快適なケアが可能になりますよ。また、たとえむし歯治療が必要になったとしても比較的スムーズです。私たちも嫌われずにすみます(笑)。

     

     

    子どもの仕上げみがきのとき、大切なことはなんですか?

     

    汚れがどこについているのかチェックするのに加えて、どういう生え変わり方をしているのか、お口の中の状態を把握することも大切なんです。グラグラしていないか、どこが大人の歯になっているのか。それを確認しながら、ぜひ子どもに教えてあげてください。「大人の歯は取りかえっこできない一生使う宝物なんだよ」って説明すると、より大事にしてくれます。子ども自身の自立や成長も必要です。

     

     

    むし歯を防ぐために、食生活で気をつけておくべきことはありますか?

     

    小学生になり、活動範囲が広がってくると、食べるものを完全に管理するのは不可能だと思います。何を食べるかも大切ですが、だらだら食べ続けないことが重要です。口の中に絶えず食べ物が入っていると、お口の中は酸性となり、むし歯ができやすい状態になってしまいます。ですから、おやつを食べる際に量や時間をきちんと決めることが効果的です。いろんな食べ物を食べる年齢と割り切って、食べさせないのではなく、むし歯を発生させない方向に気を配ってみてはいかがでしょう。

     

     

    まとめ
    ・仕上げみがきは、子どもが小学校に上がってこそ継続を!
    ・親子で歯に関するコミュニケーションをとって自覚を促す
    ・食生活とブラッシングで、むし歯が発生しづらい環境を整える

     

     

    真紀先生からのワンポイントアドバイス

    まず子どもが歯みがきをすることが大切なので、子どもが自分でみがく際には好きなキャラクターの歯ブラシや味のついた歯みがき粉でも構いません。その後、保護者の方の仕上げみがきでは、細かい部分まで届きやすい仕上げみがき用の歯ブラシを使用するのがオススメです。
    またフッ素を上手に利用して、歯を強くしていくことも効果的です。

     

     

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