ながさきプレスWEBマガジン

  • 八匹雷【下五島】

    おまじないに由来する 素朴な味わいの民俗銘菓

    一見すると、いたって普通なきなこの団子。しかしひと口ほおばると、ふんわりやわらかな食感とやさしい甘さの中に、ほのかなしょっぱさが効いた絶妙な味わいに驚く。
     「八匹雷」と書いて「はっちかんかん」と読む。この愛らしい名前は、五島に古くから伝わる「おまじない」に由来する。五島福江島では旧暦の2月1日を「はつじたつ(初支度)」といい、1年の農耕の始まりとして祝う。団子を3個ずつ桃の枝か、むくげの枝に刺し、家の出入口など、外に向かって開くすべてのところに飾るのだそうだ。これは災いを払う「おまじない」で、団子を食べる前には必ず「はっちかんかん、だご3つ」と言って食べなければならないという約束事がある。
     五島で40年間愛されてきた八匹雷。その秘密は、厳選されたもち米や大豆、粟、醤油など、こだわり抜いた素材と、その製法にある。なんと、すべての工程が手作業。菓子職人のご主人が仕込んだ団子を、奥さんが一串一串手刺しするという。つくり手の愛情が詰まっているからこそ、こんなにもやさしく、どこかなつかしい味わいがするのだろう。

    購入は・・・

    購入は松風軒の店舗のほか、福江港ターミナル内各売店、五島市観光協会、福江空港売店、山本海産物、カンパーナホテル売店、五島コンカナ王国売店で販売。電話での取り寄せも可能
    八匹雷本舗 松風軒 TEL 0959-72-4271

    下五島 食のマメ知識
    ハコフグの味噌焼き 「かっとっぽ」
    ハコフグの腹の中に味噌、みりん、薬味を詰めて焼いた郷土料理。元々は地元の漁師料理だったのだとか。ごはんに合うのはもちろん、酒の肴にもなる珍味だ

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