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  • 福江島の八十八ヶ所巡り(五島)

    弘法大師・空海の足跡をたどる
    弘法大師・空海の足跡をたどる

     病気平癒、慰霊、観光など、八十八ヶ所霊場巡りをする人の思いはさまざまある。そして、四国の八十八ヶ所巡りより、はるかに規模は小さいけれど、全国には多くの八十八ヶ所霊場巡りが存在する。長崎県では、平戸島、壱岐島、宇久島、そして五島・福江島だ。
     福江島の八十八ヶ所巡りは、1886(明治19)年に明星院(吉田町)で発見された古文書に、五島八十八ヶ所巡りの記述があったことから、整備が進められた。霊場の在りかと本尊の名を調べ、本尊のそばにはご真言を貼ってお参りしやすいようにした。
     五島は、後期遣唐使の最後の寄港地で、弘法大師・空海の乗った第16次遣唐使もこのコースをとっている。そのため、明星院や大宝寺(玉之浦町)、「辞本涯」の碑(三井楽町)など、空海に縁のある寺院や記念碑があり、その足跡をたどってみるのもいい。
     本格的に霊場巡りをしたい人は、〈五島観光タクシー〉で納経帳(2千円)を購入し、各札所で朱印(各200円)をいただくこともできる。般若心経やご真言に詳しい先達さんについての相談にも乗ってくれる。すべての霊場を巡るには、車を使って4~5日を要する。

    profile

    矢口 美保子 五島市在住。趣味は、茶道と読書。「軽自動車のマニュアル車に乗っています」と言うと、ほとんどの人が驚くという。高校時代の剣道仲間からの突然の電話により、島のコラムを書くことに。これには、本人が一番驚いているのだとか。

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