ながさきプレスWEBマガジン

  • 神無月(かんなづき)

    教えてくれた人

    早稲田 佳子(ワセダ ヨシコ)さん
    茶道(表千家茶道)や料理(懐石料理)などを学べる〈花滴庵〉主宰。長崎県内で和の文化を伝える教室を開いているほか、季節の茶会などを行っている。
    花滴庵(かてきあん)
    道教室(表千家流)や料理教室(懐石料理)、挨拶の仕方などを学べる和の講座があり、和の文化を通して、美しい作法や暮らしに使える知識を習得できる。

    毎年多くの人で賑わう諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」の楽しみ方を教えてください

     くんちの始まる前には、各踊り町で庭見世が行われます。演し物を演じる方々が本番で着用する衣装や小道具、楽器などを飾るほか、出演する人たちに贈られたお祝いの鯛や伊勢エビ、果物も一緒に並べられます。踊り町によっては樽酒をふるまったり、“祭り釜”というお抹茶をいただけるお茶席が用意されていることもあります。
     ながさきプレスで予習し、くんち当日は「くんちマップ」を見ておくといいでしょう。各踊り町の演し物や傘鉾(かさぼこ)の詳しい紹介、メイン会場で行われる演目の開演予定をわかりやすく載せています。また、各踊り場(諏訪神社、公会堂前広場、御旅所)で見るだけでなく、会場の近くに集まる演し物を目の前で見たり、追いかけたりするのも愉しいでしょう。しっかり掛け声をかけることもお忘れなく。

    【くんちの掛け声】
    モッテコーイ…演し物や傘鉾へのアンコール
    ショモウヤレ…踊りへのアンコール
    フトーマワレ…傘鉾が大きく回るようにする

    情緒を感じながら楽しむ紅葉狩りの仕方を教えてください

     お能の演目「紅葉狩り」という言葉からは、紅葉をゆっくりと愛でる趣きがありますが、現在の紅葉の名所というのは大勢の観光客で溢れています。昔のようにお酒やお茶を飲み、お弁当を広げることは難しそうなので、軽いピクニック気分で紅葉を眺めながら歩いてみるのもいいでしょう。おすすめは、小浜温泉から雲仙に登る途中にある「惜梅亭(ばいおうてい)」という紅葉と熊笹に囲まれた閑静な茶室です。そこから雲仙道路の方面へ行くと、なだらかな丘陵(きょうりょう)に色とりどりの紅葉が植え込まれた「三十路苑(みそじえん)」が見えてきます。紅葉を一枚一枚拾いながら彩りの違いを愉しむのもいいですね。また、「仁田峠」では、陽が落ちていく頃に海に沈んでいく夕陽と鮮やかな紅葉を纏った山が創りだす景色を楽しむことができます。

    無形民俗文化財にも指定されている長崎の祭り「竹ン芸」とはどのようなものですか。

     毎年十月の十四日、十五日に長崎伊良林の若宮稲荷神社の秋祭りとして、文化文政の時代から伝わる奉納祭礼です。稲荷神社の使者である狐が若宮神社の裏の竹やぶで遊ぶ様子を十メートル程の高さの青竹の上で曲芸を披露します。男狐、女狐の面をつけた二人が、笛や太鼓、三味線に合わせ、 「道行(みちゆき)」、「さかさ下り」、「つり下り」、「大の字」、「餅まき」等の幾種類もの演目で秋の空高く舞います。

    夏物から秋冬物への「衣替え」の季節ですが、どのようにすると心地よく衣服を使うことができますか。

     夏に着ていた薄手の物を片付け、しまい込んでいた秋冬の厚手の物と入れ替えをします。薄手の夏物は洗濯とクリーニングを済ませた後に用途別に分けてからしまうと、来年の衣替えの際に取り出しやすいと思います。その時に中身を書いたラベルを用意しておくと、さらに便利です。また、洋服と一緒に香りの良い石鹸(せっけん)や使い切ったあとの香水・コロンの空き瓶を入れるのも洋服をいい香りに保つために良いと思います。
     入れ替えで出した厚手の物ですが、前の衣替えから半年はぎゅうぎゅう詰めでタンスの中に眠っていたと思います。各々を丁寧に取り出し、ハンガーに下げ、空気を通してください。シワを伸ばしたり、アイロンがけをしておくと使うときに慌てなくて済みます。衣替えの時は天気予報をしっかりと確認し、できるだけ好天続きの日を選んでください。

    十月十~十四日に佐世保で毎年行われる「三川内陶器市」。 数多くのうつわの中から素敵なうつわを選ぶコツを教えてください

     うつわを選ぶ際に一緒にのせる料理を考えると楽しみが広がると思います。うつわが鮮やかすぎるとお料理が負けてしまうため、盛り付けるお料理と一体になって見栄えするうつわが、飽きがくることなく長く使えるでしょう。また、使い勝手のよさを考えながら選ぶのも大切です。

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