ながさきプレスWEBマガジン

  • Vol.11 マルマイユのあかちゃん肌着

     諫早市小長井町で、30年間縫製業を営む〈美泉〉。工場には業務用のミシンがずらりと並び、従業員の人々が目にも留まらぬスピードで次々と製品を縫い上げてゆく。作られているのは主に、日に何千枚という数のスポーツ衣料や婦人下着。そんな中に紛れ、3年ほど前から作られているのが、今回ご紹介するあかちゃん用の肌着だ。

     生まれたばかりのあかちゃんが、いちばん最初に袖を通す服、肌着。〈美泉〉でその開発を始めたのは、2代目である井上孝輔さんだ。井上さんは自身に姪っ子ができたことをきっかけに、市販の肌着に疑問を持つようになったそう。『あかちゃん用の肌着は普通、デリケートな肌を傷つけないために縫い目を外に出すのですが、洗濯をするとその部分から形が崩れたり、ぺろんと出たままの縫い目が、見た目にも美しくないなと感じて…美泉が持つ技術を使えば、もっと良い肌着が作れるはずだと思ったんです』。〈美泉〉がもともと得意とする縫製技術「フラットシーマー」で仕立てれば、外に出た縫い目も全て平らに仕上げた肌着を届けられると考えたのだ。それからの井上さんは、〈マルマイユ〉のブランド名で、あかちゃんの肌着づくりに奔走。布には国産のオーガニックコットンを使用し、低体重のあかちゃんでも着られるよう小さなサイズも制作。出来上がった肌着を持って産婦人科を訪ね歩き、今では県内・県外あわせ30近くの産婦人科で、この〈マルマイユの肌着〉があかちゃんたちの小さな身体をやさしく包んでいる。企画・縫製・出荷まで、全てに携わっているからこそできる、こだわりのあかちゃん肌着。そのやさしさ、やわらかさを、ぜひ手にとって確かめてほしい。

    つくり手:井上孝輔 INOUE KOSUKE
    大学卒業後子ども服を作る会社に勤めたのち、〈美泉〉を継ぐために帰郷。あかちゃん用肌着の開発を始める。〈マルマイユ〉とは仏語で、「小さな子どもたちのグループ」を意味し「マルマイユの肌着があかちゃんの良きパートナーになれば」という想いが込められているそう。肌着は〈長崎デザインアワード2012〉で大賞を受賞した。

    あかちゃん肌着専門店 マルマイユ
    http://www.marmaille.jp
    ネットショップのほか、〈美泉〉内に直売所もあり。
    (平日9:00~17:00オープン/土・日・祝の来訪は要問合せ)

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