ながさきプレスWEBマガジン

  • 体操北京オリンピックメダリスト
    沖口 誠 講演『夢に向かって』
    03 講和

    オリンピアンの強い精神力はどのように育ったのか―。
    熱い思いに触れることができました。


    ◎ 講演内容【もくじ】 ◎
    ※項目をクリックするとページに移動します


    03 講和        
    講話内容「夢に向かって」

    ○ ⼩学校3年⽣の時

     

    ⼩学校3年⽣の時に器械体操を始めました。もっと⼩さい頃から体操を始める⼈たちもいる中、3年生からのスタートは遅い⽅でした。
    キッカケは、体操クラブが近くにあり友達が誘ってくれたから。「よし!やるぞ!!」という強い気持ちで始めたわけではありません。始めるキカッケはみんなと同じ!
    やってみたら、体操は楽しかった!
    ジャンプや⾛ること、楽しいことがいっぱいでした。


     

    ○ ⼩学校4年⽣の時

     

    初めてバク転を成功させたのは⼩学校4年⽣の時。始めは怖かった。でも友達ができたのを⾒て、思い切ってやってみたらできた! あの時の友達の応援とできた時の喜びは今でもはっきり覚えています。

    ⼦どもたちへメッセージ

    友達を⼤切にしてほしい。友達が困った時、弱っている時に⽀えてあげてください。 友達が応援してくれたことを先⽣が今でも覚えているように、みんなから応援してもらったこと、励ましてもらったことはその先ずっと友達の⼒になります。 優しい気持ちをもって友達と仲良くしてください。


     

    ○ ⼩学5年⽣の時

     

    初めて試合に出たのは⼩学校5年⽣の時。初めての試合はすごくドキドキしました。
    緊張と不安でいっぱいでした。緊張や不安や”できるかな?”という⼼配で、初めての試合なのに内容は覚えていません。
    ⼩学校の時は、初めての試合に出たり、とにかく体操ができることが楽しくて体操を続けていました。


     

    ○ 中学校の時

     

    中学校の時、⼿の⾻を折る⼤きなケガをしました。その時は、「もう体操ができないかもしれない。もうだめかも…」と思ってました。
    でもその時に、クラスの先⽣が⾔ってくれた⾔葉があります。
    『沖⼝、床と跳⾺、いっぱい練習できるやん!⼀番上⼿になればいいやん!!』 —よし、床と跳⾺で⼀番になろうと思いました。
    ケガがなければオリンピックにも出れなかったかもしれません。

    ⼦どもたちへメッセージ

    失敗したとき、何かできなかったとき、ケガしたとき、”悲しい気持ち”じゃなく、”他に⾃分ができること・得意なこと”を考えるようにしてほしい。


     

    ○ 高校生の時

     

    ⾼校は、もっと体操を練習して上⼿になりたかったので、岡⼭県の体操が強い⾼校へ⾏くことになりました。
    当時は⼤阪に住んでいたので、両親と離れ⼀⼈で寮⽣活をすることになりました。
    学校がある⽇は、朝6:40〜8:20まで練習し、学校が終わって15:30〜20:00くらいまで、毎⽇7時間の練習してました。
    休⽇は10時間近く練習していました。⽇曜⽇は休みで、友達と遊びに⾏くこともありましたが、とにかく毎⽇練習の⽇々でした。


     

    ○ 大学生の時

     

    ⼤学は、東京の⽇本体育⼤学へ⾏きました。常に⼤会で1位、2位を獲っていた体操が強い⼤学です。 そこには⾃分より上⼿な⼈たちがたくさんいて、わくわくしました! 同時に思ったことは、自分はまだまだ下手だということ。 だからもっともっと上⼿になりたいと思いました。


     

    ○ 大学3年生の時

     

    ⽇本代表選⼿の候補選⼿12⼈を決める⼤会で、⾃分は13位でした。…悔しかったです。 体操をやってきて初めて泣きました。悔しさから「やってやろう!」と⾃分の中で覚悟が⽣まれてきて、”オリンピックに絶対に出る!”ということが強い夢になり、夢は⽬標になりました。 そしてやらなければいけない事、⽬指している事をすべて書き出すようになりました。起きる時間、寝る時間、その⽇に成功させる技まで書き出しました。 そして成功するまで練習をやめなかった。⽬標を⼀つ⼀つクリアしていくことで「夢」であったオリンピックに⼿が届くようになりました。

    子どもたちへメッセージ

    夢を持ってほしい。 夢が分からない⼈はとにかくやってみる!挑戦してみる!!夢を⾒つけてほしい。


     

    ○ 2008年北京オリンピック

     

    オリンピック会場に⼊って感じたことは、観客席からの⼤きな声援です。隣にいる内村選⼿と話そうとしても声が聞こえないくらい⼤きな声援でした。
    表彰台に上がった時に、思っ
    たことは今までお世話になった⼈たちへの感謝の気持ちでした。
    ⽀えてくれた⼈たちのおかげでメダルと獲ることができたと思い、⼼から「ありがとう」という気持ちになりました。
    オリンピックは、みんなが応援してくれる、⽀えてくれるそれを感じることができる場だと
    思います。
    オリンピックはみんなを幸せにする⼤会だと思っています。

    子どもたちへメッセージ

    オリンピックを⽬指すことも⼤切だけれども、やっていることを楽しんでほしいと思う。
    わくわくすることをしてほしい。
    緊張しないためのアドバイス
    ①いっぱい練習すること。⼼配や不安が⾃信に変わるまで練習する。


    ①いっぱい練習すること。
    →失敗してもいい。⼼配や不安が⾃信に変わるまで、とにかく練習する!。
    ②いろいろチャレンジすること。やってみる!挑戦してみる!!
    →紙があったら緊張しない。覚えて話せるようになったら緊張しない。みんなの前で話す機会が増えていけば緊張しない。
    ③「わたしは出来る!楽しい!!」と⼝に出す。「もうできない。だめだ。」は、⼝に出さない。
    →緊張するとき「⼤丈夫かな?失敗しないかな?」と思う。緊張しない⼈は「やった!⾃分をアピールできる!!」と思う。


    ①毎⽇何か1つお⼿伝いをすること。
    →例えば…Tシャツ1枚畳む、⾃分のものは⾃分で準備する等。
    ②「ありがとう」を言う。
    →例えば…ご飯を作ってもらったら「ありがとう」を言う等。
    【学校でチャレンジすること】
    ②元気な声であいさつをする。
    →先⽣に会ったら、友達に会ったら⼤きな声であいさつをする。


    才能や強い思いが始めるキッカケでなくとも、向き合う姿勢で道は拓かれる―。
    挑戦する勇気、続ける忍耐⼒、そして壁にぶつかった時どう捉え乗り越えていくか、技術に関するセンスももちろん才能であり必要なものだと思いますが、⼰を信じ⼰を律する⼒、これも才能であり世界で活躍するには必要不可⽋なもの。
    世界で活躍するアスリートの⽅々は、多くの壁を乗り越え、オリンピックの舞台に⽴っているのだと改めて感じました。
    「悔しさから⽣まれた”覚悟”が夢を⽬標に変え、オリンピックに⼿が届いた。
    夢を⾒つけ、チャレンジしてほしい!」そう語るオリンピアンの姿を⼦どもたちは真剣な眼差しで⾒つめていました。


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