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柏木広樹さん インタビュー

柏木広樹さん
柏木広樹さん
  • 柏木広樹「どうやったらチェロを好きになってもらえるかなっていうのは真剣に考えています」

「チェロを多くの人に好きになってもらいたい、そして音楽を通して笑顔を見たい」と活動するチェリスト・柏木広樹にインタビューを行った。

・長崎の街並みや雰囲気はいかがですか?

坂や階段が多いのでジョギングするのはつらいけれど、上って坂の上から見える景色はいいですね。いろんな顔が見えるなと。

長崎には仕事で何回も訪れているけど、観光はあまりできてないかな。そのかわり、たくさん美味しいご飯をいただいています。なんでも好きですが、餃子だったら雲龍亭の本店が好きですね。餃子の前にいただくレバーが最高ですね。あと、あのアットホームな感じが。あと五島のお魚も美味しいですよね~。グルメの話ばっかりで、音楽の話になる気が……(笑) 僕に語らせたら、ずっと話してしまいますよ?

・では早速音楽の話題を……(笑)。チェリストとして活動されていらっしゃいますが、ずばりチェロの魅力は何ですか?

四十数年チェロを続けていますが、最初弾いた時からずっと変わらず「音色」ですね。今でも、もっといい音を出したい、まだ出せるはずと思って弾いています。歌詞はないですが、口ずさむことがあります。歌うように演奏していますね。

・チェロが人の声に最も近い楽器とされていますが、演奏するときに感じることはありますか?

人の声が人間が持ってる楽器の中で一番だと思いますし、それに勝るものはないと思います。楽器の中だと、チェロってちょうど人の大きさぐらいなんですよ。厚さとかも含めて。バイオリンとかと一緒で、くびれがあってお尻があってという風に、女性の体の形をしているんです。バイオリンより大きくて、ウッドベースより小さいからこの大きさと厚み、形から出る音は、人の声に近いのかなって思います。

・四十数年のチェロ活動の中で「もう十分」、「もういいや」と離れようと思ったことはありましたか?

小学校のころはチェロ一筋でやってたのですが、中学生になった時に球技が好きで部活をやりたいと思い始めまして。まったくしなくなるとかじゃなく、趣味になる時期がありました。付かず離れずという感じですね。高校受験に失敗して、その時にチェロでやっていこうと決めました。今思えば、ちょっと離れてた時期はもったいなかったなと思いますが、その貴重な経験が今に生かされていると思っています。なので、「練習めんどくさいな」とか「うまく弾けないな」って考えることはありましたが、チェロを嫌いになったことは一度もなかったです。

・「チェロが好き」というのが活動の一番の原動力ですか?

もちろん。好きじゃないとやっていけないですよね。でもそれと同じくらいに、人の喜んでいる姿が好きです。音楽を通して笑顔を見たいなと思って活動しています。笑ってる時の顔ってみんな綺麗なんですよね。

・自分のクオリティを上げるのをメインに世界各地で演奏するアーティストもいますが、柏木さんはどちらかというと人を楽しませるのがメインなのかなと感じたのですが。

自分のクオリティを上げる、磨くっていうのは人前で演奏する最低限のマナーだと思いますね。「俺の音楽はこうだ!」っていうよりか、「こういうのどう?」という感じが好き。自分の技量を上げるだけに集中しちゃうと、チェロって硬いイメージを持たれることがあって。「チェロって別に楽しくないんだろうな」って思ってる人の固定概念をまず、柔らかくマッサージする。そうじゃないと聴いてくれないので。なので、どうやったらチェロを好きになってもらえるかなっていうのは真剣に考えています。

・アルバムテーマ「TODAY for TOMORROW」についてお聞きしたいのですが。

この言葉はトヨタさんが使われてて、楽曲を提供するにあたって調べてたんですが、ふと「これいいじゃん!素敵な言葉だ!」って気づいて曲を作り始めました。この曲を作成した時から、次は「TODAY for TOMMOROW」という言葉をメインテーマにアルバムをつくりたいという思いがあって、アルバム制作に入りました。今回のアルバムには、「今日頑張ったら明日もっと頑張れる。だから今日頑張ろう」という想いが込められています。

・生活でも仕事でも小さな目標を設定してそれが達成できたら、「よし、明日も頑張れそう!」と思えて、毎日楽しくなるのかなと私は思ったのですが。

そうだね。でも時には美味しいもの食べたり、デートしたり休みも必要だよね。休んで終わりとかじゃなくて明日につながるほうがいい。「明日あれしなきゃ。うーん……」って考えながら休むより、「よし寝よう!」って決めてスパッて休んだほうが、次の日の作業がはかどったりするんですよ。

あと、「Reminiscence 回想 」って曲がアルバムの中に入っているんですけど、仕事って消費するものだと思うんです。そのエネルギーを回復するのは、今までやってきたことを振り返ることだなと。時には振り返ることも前に進むための一つだなと思います。悲しいことやつらいことがあってそれを乗り越えた日のことを考えて、「どうやってあの時 乗り越えたんだっけ?」って振り返ることをイメージして作った曲です。なので、普段の実生活とか夢を曲にすることが多いですね。

・2/9(金)に旧香港上海銀行長崎支店記念館で行われる光田健一さんとのライブへの意気込みは?

ない!自然体でやる。僕も健ちゃんも長崎が大好きだし、どう楽しもうかなって考えています。気持ちはもちろんありますが、意気込みと言われると少し硬いかなって。がんばるのは当たり前なので。チェロとピアノで漫才しているみたいな、会話をしている感じを聴いてほしいです。一緒に演奏している気持ちになってもらえたらより嬉しいですね。

・長崎の皆さんにメッセージをお願いします。

僕のライブに足を運んだことがある人は、ぜひ来年も期待していてほしいです。「チェロ?うーん、別にいいかな」って思ってる人は、一回でもいいから聴いてほしい。音を聴いてチェロを好きじゃないって言われたら「そっか。それはしょうがないな」ってなりますけど、食わず嫌いみたいに聴いたことがない人がいるのならば、ぜひ、演奏を聴いてほしいです。よろしくお願いします。

  • CD情報

今日を紡ぐ明日、すべての人に笑顔を贈る、カシワギ・チェロ・ワールド!

人間の声に最も近い音色と言われるチェロを、他に類を見ないふくよかな倍音を持つ柏木が奏でる。時にすぐそばに寄り添うパートナーとして、時に人生の節目を飾る特別なプレゼントとして、昨日、今日、明日、人生のさまざまなシーンを彩る “チェロ” がここに!

柏木広樹とヴァイオリニスト葉加瀬太郎さん、ピアニスト西村由紀江さんとのHATSトリオ共演曲、トヨタ自動車トヨタ会館、NHK山形放送局「やままる」、山口朝日放送「ひるくる!」、奈良県立医科大学整形外科、サクラパックスのテーマソングほか全12曲収録!

2017.9.13 ¥3,000+税

『TODAY for TOMORROW』

1.TODAY for TOMORROW
2.A Day To Rremember
3.Eternal Forest~悠久の森~
4.シリウス
5.SMASH!
6.Reminiscence~回想~
7.Lactic Acid
8.Safflower Garden
9.Eulalie
10.HALF TIME
11.月からの使い~ドリトル先生より~
12.Smile for You

  • アーティスト情報

柏木広樹(チェリスト・作編曲家・プロデューサー)

東京芸術大学在学中にG-CLEFとしてデビュー。ソロ活動開始後はブラジルやスペイン、和など多国籍なテイストを盛り込んだ音楽性を通し、通算11枚のアルバムを発表。押尾コータロー、沖仁、藤原道山、上妻宏光、小松亮太、NAOTO、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、手嶌葵、ジェイク・シマブクロ、クレモンティーヌらとの共演や多数作品でアレンジを手掛ける。映画「おくりびと」本木雅弘のチェロ指導・劇中演奏、「冷静と情熱のあいだ」出演、「新世紀エヴァンゲリオン」主人公のチェロ演奏担当、「トヨタ自動車トヨタ会館」、NHK 山形「やままる」、山口朝日放送「ひるくる!」テーマ楽曲提供など、映像音楽を多く手掛けるほか、葉加瀬太郎や西村由紀江のサウンドプロデュースも担当。人間の声に最も近いと言われるチェロを変幻自在に操る唯一無二のアーティスト。

 

柏木広樹さん
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