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  • 対馬の神社めぐりを楽しもう(対馬)

    長崎 対馬 神々が宿る島
    神々が宿る島

     国境の島・対馬は、神々が宿る島だ。平安時代に編纂された「延喜式」の神名帳には、九州全体で98社の神社が記載されているが、うち29社が対馬に集中し、九州最多を誇る。大陸航路の拠点であり、国防の最前線でもあった対馬を、当時の朝廷がいかに重要視していたかという証なのだろう。古くは自然崇拝や海神信仰が中心だったが、中世には元寇などの外国の脅威もあり、国土防衛の神として八幡信仰が盛んになる。仏教とも習合し、対馬固有の天道信仰が生まれるなど、その実態は複雑だ。

     現在、神社庁に登録されている神社は約130社だが、登録外の小さな神社・祠も無数にあり、江戸時代の調査では455の神社があったとされる。海の女神・豊玉姫(と山幸彦)をまつる和多都美神社をはじめ、壮麗な社殿の海神神社、城下町厳原の中心部に鎮座する八幡宮など、由緒格式を誇る古社が多い。また、霊峰・白嶽や「縄文の森の生き残り」とされる龍良山は山自体が御神体で、神社の原型、神話の源流にふれることができる。

     神社をめぐり、国境の島・対馬の神話と自然と歴史をあわせて楽しんでほしい。

    profile
    西 護 対馬観光物産協会に勤務して、今年で11年目。国境の島・対馬に、家族や犬、猫と共に暮らしている。趣味は、対馬の山岳・砲台・神社などの情報を収集・発信すること。今年発行された「長崎県の山(山と渓谷社)」で、対馬の山を担当している。

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