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災害が発生したとき、いつも飲んでいる薬がなくなってしまったらどうすればいいのですか?

今月のお悩みは…
災害が発生したとき、いつも飲んでいる薬がなくなってしまったらどうすればいいのですか?

<回答者>

有限会社 一心堂堀 剛先生

諫早市薬剤師会 会長。長崎県薬剤師会 副会長。昭和薬科大学薬学部を卒業後、製薬会社を経て父親の経営する一心堂に入社、4年前より代表取締役に就任。同市内で薬局を展開、自身でも漢方相談薬局を開設。

 

<回答者>

パサージュしらぬひ薬局 宮﨑 彰宣先生

諌早市薬剤師会 副会長。第一薬科大学を卒業後、病院勤務を経て父親の経営する不知火薬品株式会社に入社。地域に愛される薬局として、地元商店街の夏祭りなど地域にかかわる活動も行っている。

まず災害時には、どこに相談すればいいのでしょうか?

 規模にもよりますが、基本的に避難所には救護所が設置されます。そこに医師や薬剤師といった医療チームが入って、避難している方々の治療や診察を行います。救護所の中には医薬品の備蓄もありますので、その方の症状に合わせて無償で配布される場合があります。ただ数に限りがありますし、たくさんの方の診療が必要となりますので、効率よく行うためにもお薬手帳をお持ちいただければと思います。最近では処方された薬を記録する電子版お薬手帳の携帯アプリもありますので、そちらも活用していただくとよいでしょう。

 

災害時における薬剤師の役割は、具体的にどのようなものでしょうか?

 救護所での診察や薬の管理はもちろんですが、避難所で暮らす中での相談事もお伺いします。例えばストレスで夜眠れないとか、狭いところにいて膝が痛いとか。私たちが薬局で販売している一般用医薬品も持参している場合には、症状に合わせてそちらをお渡しすることもあります。また生活環境の保持も薬剤師の役目です。衛生管理による病気の予防はもちろんですが、避難所の二酸化炭素濃度を毎日検査して換気のタイミングを指示したり、エコノミークラス症候群の予防を呼びかけることもあります。災害時とはいえ、避難した場所で少しでも安定して過ごせるように、私たちが専門的な目線で手助けします。

 

熊本地震の際にも現地の避難所で活動されたそうですが、その時のことを教えていただけますか?

堀:私は発生直後に向かいました。東日本大震災をきっかけに、移動式のモバイルファーマシーが導入されており、そちらを拠点にすることでスピーディーな対応ができました。また全国から薬剤師が集まっていたので、チームをつくって避難所を巡回し、診察や聞き取りを行いました。医師から薬のことで相談されることもあり、常に連携を取れるよう情報交換は大切にしていましたね。
宮﨑:私は発生から3週間くらい経ってから向かいました。まだ避難所もありましたが、少しずつ元の生活に戻っていく段階に差し掛かっていて、それをスムーズにするための補助を行いました。地元の病院や薬局へのつなぎ役も担っており、自分たちだけで終わらせないような支援を考えていました。

 

普段から薬を服用中の人は、災害が起こった時にどのように対処すればいいですか?

 これはすべての人に対して言えることですが、まず普段から災害が起きた時の避難所を把握しておくことが大切です。実際に熊本でも、救護施設と定められていない場所に避難していたことで、食料や医薬品の支援が不十分になってしまったケースもありました。またどういったものを持ち出すのか、頭の中でシミュレーションしておくのも必要です。災害が起きても、慌てずに薬剤師にご相談ください。薬の量の調整や使い方など、しっかりお答えします。

 

まとめ
・救護所では診察や健康相談が受けられ、症状に合った薬を配布してもらえる
・きちんとお薬手帳を持参して、円滑に診察できるよう協力を
・まずは災害そのものに対する普段からの備えが大切

堀先生、宮﨑先生からのワンポイントアドバイス
特別な災害時ではなくても、体のことについて薬剤師に気軽に相談していいんですよ。薬がごちゃ混ぜになったらこちらで整理しますし、使い方や飲み方も聞いてください。毎日健康な生活をしていくための相談相手として、ぜひ普段から身近な存在として考えていただければと思います。

避難者の健康相談に市販薬で対応(益城町)
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救護所内のお薬相談コーナー(南阿蘇)
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モバイルファーマシー(大分県薬剤師会所有)
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