ながさきプレスWEBマガジン

  • 紫外線と皮膚がんの基礎知識

    advice1 紫外線による皮膚がんのリスク

    人間は紫外線を浴びると、皮膚の基底細胞にある遺伝子が傷つきます。通常傷ついた遺伝子は修復されますが、大量の紫外線を浴びて多量のダメージができた場合、そのダメージが修復されないこともあります。
    紫外線で負ったダメージが正しく修復されなかった場合、正常な細胞でなくなり皮膚がんの原因となってしまうのです。

     

    lecture point

    太陽から降り注ぐ紫外線が、皮膚がんになるリスクとなることをまずは知っておきましょう。

    advice2 紫外線が原因となる皮膚がんの種類

    皮膚がんは基底細胞がん・有棘細胞がん・乳房外パジェット病・メラノーマの大きく分けて4つの種類があります。
     そのうち、基底細胞がん、有棘細胞がん、メラノーマが紫外線を原因として発症する皮膚がんに分類されます。紫外線で原因で発症する皮膚がんだといわれています。
     皮膚がんの中で最も多いとされる基底細胞がんは基底層の細胞に似たかたちをもつ皮膚がんの一種です。基底細胞がんは、頭と顔の発症率が70%以上になっています。

     

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    皮膚がんは大きく分けて基底細胞がん・有棘細胞がん・乳房外パジェット病・メラノーマの4つの種類があり、それぞれで症状が異なります。

    advice3 紫外線が関係する3つの皮膚がんの症状

    種類がわかったところで、それぞれの症状をみていきましょう。
    一番多いとされる基底細胞がんは黒色から黒褐色のほくろ、シミのようなものができるがんです。
    次に有棘細胞がんは日光が当たりやすい場所に発生する場合が多く、湿疹のような形で発生します。
    メラノーマは日本人の場合、足底に生じることが多いのですが、ときに顔面に生じることもあります。その時は、いびつな形をした黒いシミとしてみられます。

     

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    それぞれの症状を知ることが皮膚がんの早期発見に繋がります。いびつな形や濃淡のあるシミなどが急に盛り上がる場合などは要注意です。

    advice4 皮膚がんの予防策

    紫外線をはじめとする太陽光線は、顔や手の甲に浴びることで一日に必要なビタミンDが生成されて健康維持につながるといわれていますが、長期間、無防備に浴びると皮膚がんの原因になる可能性があります。
     外出時は紫外線の強い時間帯を避ける、日陰を利用する、サングラスをかける、日焼け止めをつけるなど、上手に紫外線と付き合うようにしましょう。
     日焼け止めも紫外線対策には効果がありますが、長時間紫外線を浴びる場合などはこまめにつけることが肝心です。

     

    lecture point
    皮膚がんの予防には、太陽光線と上手に付き合うことが大事です。特に日焼け止めは2、3時間ごとにつけるようにしましょう。

     

    長崎大学病院
    皮膚科・アレルギー科講師
    鍬塚 大先生

    長崎では少ない皮膚悪性腫瘍の指導専門医の資格を持つ。皮膚腫瘍を中心に日常診療と皮膚の研究に従事。

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