ながさきプレスWEBマガジン

  • 薬局って、たくさんあってどこに行けばいいか悩みます。かかりつけ薬局を決めるときのポイントは何ですか?

    今月のお悩み回答者…ライン薬局 水﨑 直文 先生

    福岡大学薬学部卒業後、製薬会社のMRに。最初の赴任地である長崎で長く勤務する中で多くの人脈に恵まれたことから、長崎で薬剤師に転身。現在、地域に根ざした薬局薬剤師を目標に日々精進中。

     

    そもそも、どうしてかかりつけの薬局を決めておく必要があるんですか?

     

    普段は健康で滅多にお薬を必要としない方や臨時ですぐにお薬が必要となった時などは、その時に一番便利な薬局を利用してよいと思います。しかし、定期的に服用している薬がある人や、いろんな病院に通っている人は、やはりかかりつけの薬局を持つべきです。もし薬の飲み合わせが悪ければ、十分な効果が得られなかったり、体調が悪化することもあります。

     

    かかりつけ薬局であれば、その人の診療の記録をすぐに把握できますし、長く付き合っていける薬局を見つけることで、健康に関する何気ない相談もしやすくなります。もちろんお薬手帳で記録は行いますが、通い慣れた薬局があることでスムーズに薬をもらうことができます。また、休日や夜間なども、電話で薬に関する相談に応じていますし、外出が難しい高齢者などの患者さんのお家に伺い、薬を届けたりといったことも行います。

     

     

    具体的に、どんな薬局をかかりつけにすればいいのですか?

     

    個人の好みもありますが、自分が一番通いやすい場所の薬局でかまいません。自宅や職場から近いところや、公共交通機関の駅近くの薬局など、自分が不調の時にも足を運びやすいところでいいと思います。もちろん話しやすい薬剤師さんがいるという理由でもかまいません。

     

    かかりつけ薬局とは長い付き合いになるので、自分にとって負担の少ないところに通いましょう。〈ライン薬局〉も、多くの患者さんは近くに住んでいる方々。皆さん顔なじみで、世間話もよくしていますよ。

     

    処方箋だけでなく、健康に関する商品を置いている薬局もありますよね。

     

    薬局というと薬を受け取るだけの場所と思われがちですが、もっと幅広く、患者さんの健康全般をサポートする役割を担っています。現在では薬局によっては血糖測定などの簡易的検査ができたり、サプリメントや健康補助食品などを販売したりと、薬局ごとにさまざまな取り組みを行っています。薬をもらう時だけじゃなく、何か体調で気になることがあれば気軽に利用してくださってかまいません。

     

     

    最近よく耳にする「あじさいネット」とは何ですか?

     

    患者さんの事前同意のもと、強固なセキュリティーで総合病院の検査値やカルテ情報を閲覧できたり、在宅医療中の方であればかかわっている医療介護職チームで情報共有ができたりするシステムです。これを利用することで、薬局はお薬をより安全にお渡しするための情報を入手できます。

     

    患者さんの利用料などは必要ありません。現在、すでに導入している薬局もあり、かかりつけ薬局を探す際には参考にしてもいいかもしれません。今は、チームで皆さんの健康を支える時代です。今後も薬局だけで対処するのではなく、さまざまな医療機関と協力することが求められると思います。

     

     

     

    まとめ
    ・かかりつけ薬局を決めてお薬に関する情報を集約する
    ・近所の薬局など、通いやすい場所を選んでOK
    ・「あじさいネット」で調剤をより安心・安全に

     

     

    水﨑先生からのワンポイントアドバイス

    薬局は単に薬を渡すだけの場所ではなく、患者さんとお話をして相談にのる場所でもあります。まずは自分の通いやすい場所でかかりつけの薬局をきちんと決めて、気軽に足を運んでみてください。何気ない世間話ができるだけでもほっと安心しますし、薬局としてもそんな頼られる存在でありたいと思っています。

     

     

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