現代アート / ~吉見 螢石『戌』書陶額~

「和」素材の持ち味を上手く引き出す
第四回は、日本古来の和室や、オリジナルのライフスタイルに合わせて和を取り入れている空間に素材の持ち味を上手く引き出す新しいアート吉見螢石氏の書陶額をご紹介します。
建物をリノベーションする際に、もっとも悩ましいのが和室です。また新築では、和の空間を設けない物件が増えてきました。しかし、和室は高温多湿の日本の風土にあった造りになっていますし、生活様式に見合った伝統の知恵が詰まっています。一言で和室と言っても「真」・「行」・「草」と区別されています。「真」は、厳格な決まり事のある書院造、「行」は真を少し崩したもの、「草」は遊び心があり素材やデザインに凝ったものなど自由度があります。このような歴史のある和室が、他の部屋のインテリアの雰囲気とあわなかったりして、物置や開かずの間になっているのはもったいないことなのです。
もちろん、襖や障子のリメイク畳、押入の見直しなどのDIYもおすすめですが、和室の雰囲気をそのままに、ひとつのアートから始めるのもモダンなリノベーションの一歩になるはずです。書と陶が融合した全く新しい世界です。さぁアートのある暮らしをはじめてみませんか。
吉見 螢石
大阪府泉佐野市在住。1975年に書家である木原研石氏に師事。1990年より焼き物に出会い、魅力に取りつかれて陶芸の道に入り「日本美術工芸展」等多数入賞。
profile
インテリアコーディネーター 山下 あかね
長崎インテリアコーディネーター協会事務局長。インテリアコーディネートを手掛けるほか、アートライフスタイリストとして講座やイベントを開催
ホームページ http://akane-interior.com
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