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  • 浮体式洋上風力発電「はえんかぜ」(五島)

    五島の自然が生み出す未来のエネルギー
    五島の自然が生み出す未来のエネルギー

     

     いま五島では、最新の再生可能エネルギーの開発と実用化が進められている。資源の少ないわが国にとって、この部門の開発と実用化は喫緊の課題である。
     五島で注目されている風力、太陽光、潮力発電のうち、「浮体式洋上風力発電」について紹介したい。
    崎山漁港の沖合約5kmに、巨大な風車が回っている。この日本初の浮体式洋上風力発電の愛称は「はえんかぜ」。南東の風という意味で、幸せを運ぶという言い伝えがある。全長172m。海面から風車の中心までは56m。翼の長さ40m。海上では、いつも一定の風が吹いているため、風力発電に適している。
     「はえんかぜ」の年間発電量は、2000kw。およそ1800世帯分にあたる。2013年から3年間、椛島沖で試験運転と環境調査が行われた。その結果、風車が人工の魚礁となり、漁業とも共生できることがわかっ た。そこで、送電に適した崎山沖に移転し、2016年から商業運転を始めている。この事業により新たに雇用が生まれ、視察や修学旅行生の増加が見込まれている。
     今後、耐用年数や撤去費用などの課題も出てくると考えられるが、五島の新しい事業として期待されている。

    profile

    矢口 美保子 五島市在住。趣味は、茶道と読書。「軽自動車のマニュアル車に乗っています」と言うと、ほとんどの人が驚くという。高校時代の剣道仲間からの突然の電話により、島のコラムを書くことに。これには、本人が一番驚いているのだとか。

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