ながさきプレス

来て 見て 食べて 楽しい長崎

葉月(はづき)

教えてくれた人

早稲田 佳子(ワセダ ヨシコ)さん
茶道(表千家茶道)や料理(懐石料理)などを学べる〈花滴庵〉主宰。長崎県内で和の文化を伝える教室を開いているほか、季節の茶会などを行っている。
花滴庵(かてきあん)
道教室(表千家流)や料理教室(懐石料理)、挨拶の仕方などを学べる和の講座があり、和の文化を通して、美しい作法や暮らしに使える知識を習得できる。

ご先祖様を迎えるお盆には、どのような準備をするとよいでしょうか

【お盆】…ご先祖様を家族で迎えて供養する期間のこと。正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といわれる

 まず、お盆の初日にあたる十三日に先祖を迎える準備をします。御仏壇の前に土台となる盆棚を作り、その上には稲の一種を編んで作った敷物・コモを敷きます。コモの上に仏壇から取り出した位牌(いはい)や盆花、お供えを飾ってください。陽が落ちて夕方になってきたら、玄関にろうそくや提灯を持っていき、火を入れてご先祖様の霊を迎えるための迎え火を焚きます。中日(なかび)にあたる十四、十五日はお寺様に供養のお参りをしていただいたり、家族でお墓参りに行きましょう。最終日の十六日にご先祖様を送るための送り火を焚き、盆棚にのせていたお供えや飾り物をコモに巻いて川や海に流します。
 現代では、お盆の行事をひとつ一つ丁寧にすることは難しくなりましたが、ご先祖様を偲ぶ大切な日本の行事なので、各々の家庭でできる範囲のことをやるとよいと思います。

盆棚にお供えをするものは、どのようなものがよいでしょうか

【五供(ごきょう)】…一般的に香・明かり・花・水・食べ物、この五種類が五供と言われています

 盆棚にのせる基本の供え物に五供というものがあります。五供それぞれについて書くと、
「香」…仏壇にあげるようなお線香
「明かり」…燭台のあるろうそく
「花」…季節の女郎花(おみなえし)、桔梗(ききょう)、蓮(はす)、鬼灯(ほおずき)等の盆花
「水」…蓮の葉に高野槇(こうやまき)の小枝かミソハギを添えた清めの水鉢
「食べ物」…夏野菜や果物など
です。
 また、胡瓜(きゅうり)や茄子に竹串で足を作り、仏様が乗るための馬や牛型を飾ることもあるそうです。
 十三日にあんこを付けた迎え団子、十六日にはまっさらの白い団子を送り団子として作る家庭もあるようです

長崎の精霊流しはどのようにして始まったのでしょうか

 昔の長崎では新地に住んでいた華僑の人が亡くなると、その故人を爆竹や花火で悪霊を払いながら送り出していました。この頃から中国の風習が融合したような長崎独特の精霊流しが生まれたのです。毎年十五日の夜には、全国でも珍しい精霊流しが繰り広げられます。

夏の風物詩である、浴衣を着る際に着慣れていると思われるような小技を教えて下さい

 基本的に長襦袢(ながじゅばん)、裾除けで着くずれないようにしますが、二本ほど腰ひもを加えたり帯の間に帯板を入れることで、まず着姿を整えてください。帯は短い丈を半分に折り、文庫結びや貝の口結びのような結び方が一般的に多いですが、博多織の名古屋帯に細めの帯〆をすると、なかなか着慣れた風情になります。

浴衣の時に使うとよい小道具があれば教えてください

 バッグのかわりに、袋の口を紐でくくる和柄の信玄袋などいかがでしょう。また、手にうちわを持つのも夏らしくて風情があると思います。それから、香りをつけるのであれば香水のような強いものではなく、石鹸など清々しい香りをおすすめします。出掛ける前に石鹸で手足を洗い流すだけでもいいですよ。
暑い夏を涼しく過ごすために何か工夫できることはないでしょうか

 夏の暑さをしのぐためにエアコンからの涼しい風だけではなく、五感を澄ませることで涼を感じてみるのはいかがでしょうか。

 竹や籐の敷き物を敷いてひんやりとした肌ざわりを感じたり、麻を使った夏のれんや簾をかけて、視覚から涼を楽しむことができます。また、緑の枝を花びんに入れ、霧吹きで葉っぱに水滴を作って眺めるだけでも涼しさを感じとれると思いますよ。

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