魚を愛する人に聞いた、長崎のおさかな事情

第2回

【 キビナゴ 】

キビナゴとは・・・
全長10cm、ニシン目・ニシン科のお魚。
亜熱帯地域に広く分布し、綺麗な海に生息。体側に銀色の縦帯があり、キラキラと光り輝いて見える。

福江島の匠たちに活かされるキビナゴ24時に密着!

　その昔、五島藩の水産業を担っていた山口長十郎の「長」を取り、「魚」編に「長」と書いて「𩸕（キビナゴ）」と答えたという逸話もあるほど、五島とキビナゴには古い繋がりがある。

福江島は、九州でも随一の漁獲高を誇るキビナゴの産地。温暖な気候と水質の高さに加え、水温も一定である福江の海は、魚の生息地としてもっともよい環境にある。

また、資源保護のため、６、７月の産卵期間は禁漁となるキビナゴにもやさしい漁で、漁法は主に、まき網、棒受網、定置網、そして王道の刺し網の４つ。

福江島では主に「刺し網」を採用し、“均一な大きさのキビナゴだけ”を正確に獲る漁法で漁を行う。

深夜1時に港を出発し、定められたエリアに、明かりを灯す。

光の周りを周遊するという魚の性質を利用し、カーテンをかけるように網を配置して時を待つ。

規定の網目に、周遊するキビナゴが頭を突き刺し、身動きが取れなくなったところで一気に網を引き揚げる。

日が昇るまでの限られた数時間。

時間が許す限り、この工程を何度も繰り返すのだ。
そして、獲れたてのキビナゴは、仲買人によって見極められ、値段をつけて全国各地に発送されていく。

福江島の恵まれた環境・現場を支える漁師の高い技術・仲買人の良質を見極める力。「キビナゴの美味しさを伝えたい」という一つの熱い思いが合わさってはじめて、美味しいキビナゴが私たちのもとへと運ばれているのを知った。

福江島の美味しい魚を全国区に広めたい！

「福江の新鮮な魚の美味しさをもっと県内外の人に知ってほしい」との思いで昨年からスタートした〈漁師食堂 五島灘〉。

ここでは、訪れた観光客が福江魚市を見学し、朝獲れの鮮魚を使った料理をバイキング形式 で楽しめるツアーを行う。

今年の来場は5,000人以上 を見込んでおり、今後もPR活動を続ける予定だ。

刺し盛をはじめ、天ぷらや南蛮漬け、あら汁などの魚料理が大人気。

さらに、ツアー参加者同士で行うセリ体験では、高額な魚加工品をお得にゲットすることも。

ツアーは20名～予約可能。

キビナゴはこちらで食べられます！