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  • 図鑑 「聴いてくださる方々に寄り添えるというか、入りやすい音楽をつくりたい」

    長崎出身のカンタロウ率いる4人組バンド「図鑑」。11月9日に図鑑の史上最高(現時点)の4thアルバムを発売!聴いてくれる人に寄り添い、一緒に楽しめる曲が揃う。前回のインタビューから約1年ぶりとなるバンドとして成長した彼らに話を訊いた。

    ◇図鑑INTERVIEW

    ●TSUTAYA遊INGでインストアライブをされたそうなのですが、いかがでしたか?

    平山: 長崎には久々っすね。どんくらい前?いつ?
    万江: 夏だったかな…。
    平山: あ、ライブで来たんか。ツアーで来ましたね。ライブには思ったより人が集まってくださいましたし、僕の地元が長崎なので、やっぱり親戚も来てくれたりして(笑)。長崎ならではの独特な(笑)。そして、TUTAYA自体にすごい思い入れがあって、遊ING時代の角にある時からですね。県庁の坂のふもとみたいな…。
    万江: めちゃめちゃ地元トークやね(笑)。
    平山: あそこらへんのCDショップだと、遊INGさんだったし、もちろん寄ってCD買ったりして。移転してからも、長崎に来たらまず、浜の町に行くんで、すごい思い出がいっぱい。制服姿で行ってた思い出もあって、そこでライブできたっていうのは嬉しかったですね。

     

    ●11月9日に4枚目のアルバムとなる「エミリー」を発売されたということですが、このアルバムを通して伝えたいことやメッセージはありますか?

    平山: そもそもですね、今回アルバムをつくるうえでは、これまでみたいにかっこいい音楽をやりたいと思ったし、その中でメロディとかずっと大切にしてきたんですけど。そういうのよりも、聴いてくださる方々に寄り添えるというか、入りやすい音楽をつくりたいなと思ったのが一番のスタートラインで。だから、自分がおもしろいって思うメロディラインよりもすんなり入るようなメロディラインとか、凝った演奏よりもシンプルで頭に残るものとか、そういうものを目指しました。

     

    ●それはタイトル曲にもなっている「エミリー」に反映されていますか?

    平山: 「エミリー」に関してはそういうスイッチが入った半ばぐらいにできた曲なので、あんまり考えてやってないんですけど。たとえば、トゥルルルルって繰り返すリフがあったりするんですけど、すっごいシンプルなんですよね。ギターのリフでも口ずさめる。意識せずに出来るようにその頃にはなってたから、目指してというよりかもう勝手に「エミリー」に反映されてる感じ。

     

    ●この「エミリー」は“祖母を思った歌”ということですが、可愛がってもらっていたんですか?

    平山: そうっすね。ばあちゃんは一緒に住んでて、じいちゃんは僕が生まれる前に亡くなってたんですど、第2のお母さんみたいな。お母さんいなくてもばあちゃんいたし、一つ屋根の下で暮らしてて一緒に飯食べて。孫なんですっごい可愛がってもらって。うちの親父が男5人兄弟の末っ子なんですけど、親父以外長崎にいなくて。一番末っ子の孫たちなのに、俺らが一人占めしているような(笑)。まあ、ばあちゃんも俺が生まれたときから一緒に暮らしてたからすっごい可愛がってくれてたんでね、学生の時に亡くなったときは、もう人生の中であっちゃいけないことが起きてるみたいな状況でしたね。相当引きずりました。親も弱っちゃうし、衝撃的で辛かったですね。

     

    ●後悔や悲しみがテーマということですが、曲自体は明るくキラキラしたという印象を受けたのですが?

    平山: あんまり暗いとお経みたいになっちゃうし(笑)。かつ、その祖母を思ってつくったのに、むしろ暗い歌にしたくなかったからですね。そういう意味では、どちらかというと純粋さ、爽やかな感じの方が自分の中ではすんなりとハマった感じです。

     

    ●PVの映像も優しい感じがしたなと思ったのですが。

    平山: そうっすね。女の子が出てくるんです。おばあちゃんもそうですけど、女性の偉大さというか。女の子でもこういう弱っちい男たちを見守ってくれるっていう、懐の大きさががイコールおばあちゃんみたいなもんなんかなって思いながら。女の子出したいっていうのは、監督じゃなくて僕らから要請して出していただきました。

     

    ●撮影時は大変なことはなかったですか?

    平山: 大変なこと…。初めて演技みたいなことさせられたからですね、すっごく恥ずかしかったですね~!演技っていうのは音楽と全然違うからですね。音楽って演奏も人前でするじゃないですか、こう恰好つけたりして。でもあれって音楽の不随品であって、音楽がメインで俺らがやってるんですけど。演技で自分らがメインで表現しなきゃいけない。で、ど素人なんできつかったですね。きついっていうか、なりきらなきゃ恥ずかしいからむしろ。なりきってやりましたけど。こいつ(万江)を小突くところがあるんですけど、ほんと小突くとですね、ど素人同士なんで小突いた瞬間ニヤニヤする(笑)。僕もニヤニヤしちゃうからそこは大変でしたね。あそこ何回かね。撮らされたね。
    万江: うん。もともと6時か7時でぐらいで終わる予定だったんですけど、11時までかかりましたね。
    平山: ははは(笑)

     

    ●「エミリー」以外の曲で、思い入れがある曲などはありますか?

    平山: そうですねー、2曲目にインスタントグルーヴってのがあるんすけど、こういう曲ってつくって無かったんですよ。わざとというか。4つ打ちってのがあるじゃないですか。ないことはないんですけどね、もちろん。それはある意味4つ打ちっていう一つの要素として考えてきたし、僕はそういう音楽を聴いてきたからですね。一枚まるまる4つ打ちみたいな、それが武器なバンドさんいっぱいいるし、かっこいいいいんですけど。もちろん僕も聴いてるし、たくさんCD持ってるし。そういうのが武器である方々は、それはいいんですけど。んーなんか、そうゆうバンドがいて、そういうグループがあるからこそ一石を投じたいっていうか。なんかですね、ひねくれがあるんですけど、4つ打ちで4つ打ちを皮肉りたいっていう。またそれもなんかですね、んーなんだろな。おもしろいかなって思って、テーマとして。今しかできないじゃないですか逆にこういうのって。もしかしたら後々聴いたら、何をこいつこんなに怒ってんだろって(笑)。何を言ってんだってなるかもしんないですけど、どうせならですね、4つ打ちっていうのはこういういっぱいある中の一つの要素として楽しんでくれよ。でも、一番みにくいのは俺らなんですよ、言ってしまえばうらやましがってるわけじゃないですか。だからですね、かっこ悪いのは僕らなんですけど、お客さんが楽しんでくれればいいかなって。結局4つ打ちってノれるからですね。そういう意味でも、このアルバムはお客さん向きだなというか、楽しんでもらえるアルバムだなって思います。

     

    ●今後のライブとして福岡のDRUM LOGOS「ずかんのじかん2016 ~(現時点)史上最大の挑戦~」がありますが、”(現時点)”とは通過点という意味でしょうか?

    平山: そうですね。前のBEAT STATIONもそれも当時僕らにとって大きな挑戦だったんですけど、それも一応クリアできたってことでじゃあ次何にしようかって。で、DRUM LOGSを怖いながらも(笑)挑戦なんで取って、怖い思いをまた一年して新しいもっと大きなところでやって。それこそ福岡を拠点にしているので、マリンメッセぐらいでやられようになるまで、言ってしまえばああいう場が準備されているので、そしたら目指せばいいじゃんって感じで。そういうのが、どんどん増えていけば…。…うん。(笑)

     

    ●このライブに向けての意気込みや目標を聞かせてください。

    平山: タイトルになっているように大挑戦なので、バンドとしてだけじゃなくて僕の人生なかでも挑戦だと思っているので、すごい自分本位ですけど、客数としてもクリアして福岡を代表するようなバンドになりたいっていうのと、お客さんが来るからには、図鑑っていうバンドを思いっきり楽しんでくれるようにやりたいなと思います。
    万江: 僕的には今年30歳になるんですけど、ワンマンライブで一番大きなハコでやるわけなんでね、今まで音楽やってきた結果というか30年間の俺の歴史を出せるようなライブをしたいし、お客さんもたくさんの方に見られるので絶対に恥ずかしくないものをしたうえで、お客さんと楽しめたら最高ですね。現時点で最高の挑戦なんで、僕らのチャレンジャーとしとての最高のライブをして次に繋げられたらな、と思います。

     

    ●Twitterのプロフィール欄には故郷稲佐山でのワンマンライブって書いてありましたが。

    平山: そうです!稲佐山ってあそこでライブすると、もう周り聞こえるじゃないですか。僕は川挟んで対岸の方に住んでるんですけど、聞こえるんですよね!風呂とか入ってると。イベントもあるんで、高校のころ見に行ったりして、あそこはまた別なんだよね。マリンメッセとかそういうのとかじゃない、個人的に本当にあそこでやったら泣くんじゃないかってぐらいの。感動的なのがありそうだなって。

     

    ●長崎ってすり鉢状になっているから響きますもんね

    平山: そうなんですよ。山と山に囲まれてて、山の上からするんで響いて町中に聞こえますもんね。ぼわーって。それが他のところには無いですからね。響くっちゅーか、響かせたいと思うもんね。

     

    ●最後に長崎に住んでいる方々にメッセージをお願いします!

    平山: もちろん僕長崎出身なので、長崎からの故郷の応援ってすごい心強いので、まず図鑑に興味を持っていただければ、そして応援していただければ幸いです。長崎にもまた来ますんで。

    <2016年11月14日時点の取材内容>

    ◇CD情報
    4th Album「エミリー」
    福岡発POP BEAT BAND 図鑑の史上最高(現時点)のマスターピース4th ALBUMが完成。
    福岡を拠点に今や名実ともに九州を代表するBANDに成長した図鑑の歌詞とBEATに注目!

    2016.11.09  2,000円(税込)

    1.エミリー
    2.インスタントグルーヴ
    3.shine
    4.光の速度
    5.魔法の歌
    6.ジャンプ
    7.言葉
    8.風とともに

    UP RISE(ドリーミュージック・)

    取り扱い店
    タワーレコードアミュプラザ博多店

    ◇バンド情報
    「図鑑」
    L→R 異界論(Key. Cho.) 万江 裕己(Ba.Cho.) 平山 カンタロウ(Vo.Gt.) 脇本 ヒサシ(Gt.Cho.) アーティスト名でもある"図鑑"とは、平山カンタロウ(Vo.Gt.)が子供のころから何事も図鑑のように集めて並べるのが好きで、生み出す楽曲たちも図鑑のように楽しんでほしいという思いから命名。TBS「王様のブランチ」エンディングテーマ「ファンファーレ」、九州朝日放送ドォーモのエンディングテーマなど多数のタイアップに起用された「ペダル」、福岡県飲酒撲滅キャンペーンのテーマソング「大切を想う」等キャッチーで耳触りの良い曲が図鑑の多彩な楽曲を物語っている。2014年9月に福岡で行ったワンマンライブではライブハウスのキャパシティを超えての観客を動員。福岡を拠点に、日本にとどまらずタイや韓国への大型フェス等へも活動の幅を広げている。

    ◇ウェブサイトhttp://zukannet.com/

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